動作スクリーニングによる
効果的な小集団機能訓練

第5回「イスからの立ち上がり」
今回は上記の基本的な安定性や協調性、コントロールが必要となる動作パターン
④イスからの立ち上がりをご紹介します。
評価方法
チェック方法

イスに座った状態から立ち上がってもらい、またイスに座ります。


評価のポイント

①座位から立位になるための重心移動ができているか。

②立位から座位になるための重心移動ができているか。

評価基準とスコア点数
スコア1点

・ 足部に重心移動をして、スムーズに立ち上がることができない。

・ 足部に重心を残したままスムーズに座ることができない。

・ 座位の姿勢で大腿部と体幹を直角にして座ることができない。

・ 股関節から屈曲して立ち座りができない。

スコア2点

・ 前にある支えを使うとできる。

スコア3点

・ 足部に重心移動をしてスムーズに立ち上がることができる。

・ 足部に重心を残したままスムーズに座ることができる。

・ 座位の姿勢で大腿部と体幹を直角にして座ることができる。

・ 股関節から屈曲して立ち座りができる。

スコア結果と改善エクササイズの例
スコア1点

・ 足部に重心移動をして、スムーズに立ち上がることができない。

・ 足部に重心を残したままスムーズに座ることができない。

・ 座位の姿勢で大腿部と体幹を直角にして座ることができない。

・ 股関節から屈曲して立ち座りができない。

スコア2点

・ 前にある支えを使うとできる

※スコア1点と2点のエクササイズ動作は同じですが、平行棒を使用するなど、そのご利用者の限界を見極めながら的確に設定してください。

立ち上がり動作が困難な原因は下記の3点が挙げられます。

①座位の姿勢から骨盤を前傾・後傾できる可動性の低下とその位置をコントロールできる骨盤の安定性が欠如している。

②矢状面上(体の前後)の動きに安定性がなく、座位保持姿勢時(臀部)から足部へ支点を移動する際にぶれてしまう。

③立位姿勢から座位になるためには、重心を足部に残したまま座ることがポイントである。 そのために膝を曲げながら(大腿部前面の遠心性収縮)自分の体重をコントロールする必要がある。 この遠心性収縮に筋が耐えられずに膝崩れを起こしドスンと座ってしまう。

上記の改善は、車イスからトイレの移乗など安定した乗り移りを行う際に必要になります。 車イスでの生活に慣れてしまうと、こういった能力が著しく低下していきます。どこでつまずいているのかを3段階に分けて確認しましょう。

①深くおじぎすることができるか?
②足部への重心移動からの立ち上がりができるか?
③立位姿勢から座位になる際にどこまで膝を曲げることに耐えることができるか?
〈改善エクササイズの一例〉
ご利用者のレベルに合わせて(途中で)手すりなどを利用してください
①座位で徐々に深くおじぎできるようにしていきます。
②おじぎができるようになったら、一番深いおじぎの姿勢からゆっくりと立ち上がる練習をします。
③立位の姿勢からゆっくり深いおじぎをし、イスにお尻が触れたことを確認してからおじぎを戻していきます。

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著者紹介
株式会社ケアスマイル青森 代表取締役
大里洋志
● JOC医科学強化スタッフ
● 水球日本代表トレーナー
● 青森県スポーツドクター公認トレーナー
● 日本体育協会アスレティックトレーナー
● 青森県水泳連盟トレーナー
● 柔道整復師
● ケアマネジャー