動作スクリーニングによる
効果的な小集団機能訓練

第3回「A-SLR(下肢可動域)アクティブ-ストレート.レッグ.レイズ
今回は、上記の基本的な動作スクリーニングの中で可動性が必要となる動作パターン
②A-SLR(下肢可動域)をご紹介します。
評価方法
チェック方法

①あおむけで寝た状態から、両膝を伸ばしてもらいます。

②棒を膝蓋骨の中心と上前腸骨棘(ASIS)じょうぜんちょうこっきょくの中間に立てます。

③足首を曲げた状態(足関節0度)を保ち、脚を真っすぐに伸ばした状態(膝関節0度)で片脚をできるだけ高く上げます(棒に足部が届くように)。

④反対側の脚は曲げないように伸ばした状態を保ちます。




評価のポイント

①骨盤を安定させた状態を保つことができるか?

②“①”の状態を保ちながら下肢後面の筋の柔軟性を評価する。

評価基準とスコア点数
 両脚でそれぞれ自動運動(ご利用者自身で動かす運動)、他動運動(スタッフがご利用者の脚を動かす運動)を確認します。
【自動運動】
【他動運動】
 【自動運動】
スコア1点
膝関節0度、足関節0度、股関節中間位(内外回旋)を保つことができない。

※膝蓋骨が天井を向いた状態

スコア2点
上前腸骨棘(ASIS)と膝の中間に置いた棒に足部が届かない。


スコア3点
膝関節0度、足関節0度、股関節中間位(内外回旋)を保つことができる。 上前腸骨棘(ASIS)と膝の中間に置いた棒に足部が届く。

上記スクリーニングを終えたら、次に他動運動を確認します。その際に自動運動との差が10度以上ある場合には、骨盤の安定の欠如とみなします (他動運動のスコア点数は自動運動を参考にしてください)。

スコア結果と改善エクササイズの一覧
膝関節0度、足関節0度、股関節中間位(内外回旋)を保つことができない
…スコア1点

膝・足・股関節の3つの関節に拘縮があると下肢を真っすぐ伸ばしてあおむけになることができません。 このような状態では立位になっても効率よく姿勢を保つことが難しくなり、長時間の歩行も難しくなります。まずは膝・足・股関節の拘縮へアプローチすることが不可欠です。

<改善エクササイズの例>
膝、足、股関節のそれぞれの関節を伸ばした状態になるように意識させます。これにより脊髄反射が起こり下肢後面の筋が伸長します。


上前腸骨棘(ASIS)と膝の中間に置いた棒に足部が届かない…スコア2点

棒まで足部が上がらない原因は大きく分けて3つ挙げられます。
① 骨盤を安定させることができない(腹圧に問題がある)。
 →自動運動と他動運動で10度以上の差がある
② 下肢後面の柔軟性が欠如している。
 →スコア2点以下
③ “①②”の両方が混在している。

まず、上記の原因のどこに当てはまっているのかを確認し、それぞれにあったエクササイズを設定することが大切です。

<改善エクササイズの例>
① 腹圧に問題がある場合はレッドコードなどを使用して上肢(手や肘)で物を下に押しながら足を上げるエクササイズを行います。
※平行棒や机などのつかまるものであれば代用可能です。

② スコア1点と同じエクササイズを行います。
③ “①②”の訓練を並行して行います。


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著者紹介
株式会社ケアスマイル青森 代表取締役
大里洋志
● JOC医科学強化スタッフ
● 水球日本代表トレーナー
● 青森県スポーツドクター公認トレーナー
● 日本体育協会アスレティックトレーナー
● 青森県水泳連盟トレーナー
● 柔道整復師
● ケアマネジャー