ご利用者の生活環境を把握するための
居宅訪問時のチェックポイント!
居宅訪問の機会を有効に使うために確認すべきポイントを、ご利用者の症状別・疾患別に理学療法士の視点でご紹介しています。

第11回 関節リウマチで中等度の変形がある人の運動メニューと生活動作の工夫
今回は関節リウマチで中等度の変形がある方に、ご自宅で気を付けていただきたいことについて紹介します。

リウマチの方は洋式の生活を
リウマチの方は関節が腫(は)れ、徐々に変形してくるため、正座など床生活の伴う和式の生活(例えば和式トイレや床からの立ち上がりなど)が困難になってくることが多いです。 慣れた生活を変えることはなかなか難しいですが、 居宅訪問の際などに、デイのスタッフからも関節に負担をかけない生活づくりを提案していきましょう。

【寝室】床からの立ち上がりが困難になるのでベッドがよい
床に布団を敷く
床からの立ち上がり、布団の上げ下げの動作を伴います
 ベッド
【トイレ】しゃがむ姿勢が困難となるので、洋式トイレがよい
和式トイレ
しゃがみ姿勢は膝、股関節に負担が大きい
 洋式トイレ

【イスやベッドの高さ】
立ち上がりやすいイスやベッドの高さには個人差があります。デイサービスの電動ベッドで立ち上がりやすい高さを調べ、ご家族に伝えていきましょう(通常のイスは高さ40cmです)。
声かけ例
「イスの高さは45㎝ぐらいが立ちやすいようです。家のベッドやイスの高さを、普通のイスより少し高い45㎝ぐらいにしてあげてくださいね」

関節を痛めないような動作を伝える
リウマチの方は関節が変形しやすいので、立ち上がりのときに指を使うより、腕全体を使うような動作のほうが安全です。
指の尺側変形(※)がある場合は、テーブル拭きなどで外側に手を動かすと、関節に負担がかかるため、内側に拭き取るようにします。
※尺側偏位変形
手足の関節が外側に変形するリウマチの代表的な関節変形
動作の工夫
【テーブルを拭く場合】
外側に手を動かすと尺側変形を
助長する動きがでてしまう
 拭き取るように内側に手を動かす
 と変形を防止する動きとなる

【立ち上がる場合】
アームレストを持つと負担がかかる
 テーブルを押す

【手すりを持つ場合】
立ち上がり時、手すりを引っ張る
ように立つと関節に負担がかかる
 前腕全体を手すりに沿わせ、
 押して立ち上がる動作を練習する

その方に合った福祉用具・自助具を紹介
【住宅改修】
ドアノブをレバー式に変える など
ノブでは指が痛い
 レバー式だと大丈夫

【福祉用具・自助具】
●柄の太いスプーン
指の関節への負担が少ない
●リーチャー
更衣の際など、手が届きにくいところのものを引っ掛けるのに便利
●柄が曲がったボディブラシ
手が届きにくいところを洗うのに便利

声かけ例
「デイサービスで食事の時、こんなスプーンを試してみたら、上手に使われてました。ご自宅でも購入されるといいと思います」など

リハビリについて
「関節リウマチで変形が中等度ある方」については、月刊デイ2017年2月号「現場スタッフに役立つ 症状別・疾患別リハビリ」をご覧ください!
「パーキンソンの方で飲み込みが低下しかけてる人」については、月刊デイ2017年1月号「現場スタッフに役立つ 症状別・疾患別リハビリ」をご覧ください!





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どうして居宅訪問が必要なの?
個別機能訓練加算Ⅰ・Ⅱやリハビリテーションマネージメント加算Ⅰ・Ⅱを算定するためにはご利用者の居宅を訪問し、在宅状況を確認することが義務付けられています。
居宅訪問はとても重要なことです。利用者の生活環境を知り、それに即したメニューを実施することで、機能訓練の効果は格段に上がります。

松本健史(まつもとたけふみ)
理学療法士/介護支援専門員/社会福祉学修士
NPO法人丹後福祉応援団勤務
大阪生まれ・関西大学法学部卒・九州リハビリテーション大学校卒業。
2014年本の出版、研修事業の「松本リハビリ研究所」設立。
著書に「認知症介護『その関わり方間違いです!』」(関西看護出版)「拘縮対応ケアハンドブック」(ナツメ社)「間違いだらけの生活機能訓練改善授業」(日総研)等がある。
介護従事者向けの「生活リハビリの達人」養成研修が話題。
●ホームページ
松本リハビリ研究所
●研修・原稿の依頼・問合せ
matumoto@helen.ocn.ne.jp