ご利用者の生活環境を把握するための
居宅訪問時のチェックポイント!
居宅訪問の機会を有効に使うために確認すべきポイントを、ご利用者の症状別・疾患別に理学療法士の視点でご紹介しています。

最終回 ご自宅で床生活をされている方の動作練習・環境の設定
高齢者は畳・敷布団といった和式生活になじんでいる人も多いと思います。
しかし、要介護状態になると車イスとベッドの生活になってしまう場合が多く、生活様式が一変することは認知症状を悪化させる引き金にもなりかねません。
できるだけ慣れた和式生活を守ることも、デイサービスなどの在宅サービス分野の大切な役割の一つです。
今回は、ご自宅の環境を工夫したり、福祉用具で床生活を支援する「裏技」を紹介します。

床からの立ち上がりが難しい方に環境設定の工夫を提案
デイサービスで練習し、動作が安定したら、ご自宅でもこうした環境設定の工夫をお勧めするとよいでしょう。

【低い台から段階的に移り、立ち上がる】
10㎝→20㎝→30㎝→40㎝と段階的に高いイスに移動する
40㎝のイスから立ち上がる
声かけ例
「デイサービスで40㎝程度の高さの台までお尻を上げると、安定して立ち上がれるようになりました。家でも40㎝程度の台まで段階的に移動して、立ち上がるようにしてみてください」
床生活をサポートする福祉用具「トライメイト」
こんな車イスもある!
車イス生活になると床生活をあきらめる人も多いですが、福祉用具にトライメイト(日進医療器株式会社)という車イスがあります。
これは和式の床生活をサポートできる車イスです。
レバーを握って座面を上げ下げすることで、床に座っている人が車イスに乗る、あるいは車イスに乗っている人が床に降りることが可能です。これを活用すれば、床生活を継続することができるかもしれません。
私の経験でも、在宅の老々介護でありながら、床生活を継続できたケースがあります。
床生活で介助が大変な家庭には、レンタルをお勧めしてもよいでしょう。

床生活をサポートする車イス「トライメイト」
レバーを握ると座面が下がったり、上がったりする
声かけ例
「床から立ち上がれなくても床まで座面を降ろせる車イスがあります。福祉用具でレンタルしてみてはいかがですか?」

リハビリについて
「家で床生活をされている方の動作練習・環境の設定」については、月刊デイ2017年3月号「現場スタッフに役立つ 症状別・疾患別リハビリ」をご覧ください!




機能訓練メニューについて
オススメの機能訓練メニューについては、月刊デイ本誌の「現場スタッフに役立つ 症状別・疾患別リハビリ」をご覧ください!

「居宅訪問時のチェックポイント」は今回で最終回となりますが、来年度も引き続き松本先生の新連載が始まります。お楽しみに!

その他の記事

どうして居宅訪問が必要なの?
個別機能訓練加算Ⅰ・Ⅱやリハビリテーションマネージメント加算Ⅰ・Ⅱを算定するためにはご利用者の居宅を訪問し、在宅状況を確認することが義務付けられています。
居宅訪問はとても重要なことです。利用者の生活環境を知り、それに即したメニューを実施することで、機能訓練の効果は格段に上がります。

松本健史(まつもとたけふみ)
理学療法士/介護支援専門員/社会福祉学修士
NPO法人丹後福祉応援団勤務
大阪生まれ・関西大学法学部卒・九州リハビリテーション大学校卒業。
2014年本の出版、研修事業の「松本リハビリ研究所」設立。
著書に「認知症介護『その関わり方間違いです!』」(関西看護出版)「拘縮対応ケアハンドブック」(ナツメ社)「間違いだらけの生活機能訓練改善授業」(日総研)等がある。
介護従事者向けの「生活リハビリの達人」養成研修が話題。
●ホームページ
松本リハビリ研究所
●研修・原稿の依頼・問合せ
matumoto@helen.ocn.ne.jp