介護トピックス

4月から働き方が変わります

厚生労働省

4月から「働き方改革」が施行されます。「有休の取得義務化」や「残業時間の上限規制」には罰則も設けられており、社内規定や職員の配置などを見直す必要があります。

「働き方改革」による主な変更点

1)毎年5日間の有給休暇取得を義務化

介護職員の4割以上が有給休暇を取得できていない現状
 これまでは有給休暇の取得は本人に任されており、1日も休まないことも可能でしたが、2019年4月以降は最低5日間の休暇を従業員に取らせないと労働基準法違反となります。
 違反した場合は会社に対し、6ヶ月以下の懲役または一人当たり最大30万円以下の罰金が科せられます。従業員への罰則はありません。

年間有給休暇消化日数が5日未満の従業員に対し、有給休暇を取得すべき日を会社が指定する
 2018年6月29日に成立した「働き方改革関連法案」により、2019年4月1日からすべての会社の雇用主は10日以上の年次有給休暇が付与されるすべての労働者に対し、毎年5日間、年次有給休暇を取得させることが義務付けられました。
 従業員が自ら取得した休暇や、「計画的付与制度」による休暇を合計して5日に満たない場合は、その残りの日数について従業員の意向を聞いた上で、事前に「◯月◯日に休暇を取得してください」と指示をすることが必要になります。

対象者は?
・入社後6ヶ月以上経過している正社員、またはフルタイムの契約社員
・入社後3年半以上経過している週4日出勤のパートタイム社員
・入社後5年半以上経過している週3日出勤のパートタイム社員

有給休暇取得義務化に向けての取り組み
<誰かが休んでも支障が出ない体制づくり>
 厚生労働省の調査では、有給休暇の取得をためらう人の多くが「ほかの従業員に迷惑がかかるから」「後で忙しくなるから」と回答しています。誰かが休んだとしても問題なく仕事が回るように、普段から各自の仕事内容・進捗状況の共有や業務のマニュアル化などを行い、「休む人がいる前提」の体制づくりが重要になります。また、一つの業務に必ず2人以上の担当者を割り振るなど、お互いが休暇を取りやすい状況を作ることが大切です。

<休みやすい雰囲気づくり>
 仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の実現のためには、従業員の健康と生活に配慮し、労働時間や休日日数、有給休暇の取得状況などについて、多様な生き方に対応したものへと改善することが重要です。会社側が年次休暇や有給休暇奨励期間を設定し、積極的に「有給休暇を取りやすい雰囲気」を作っていく必要があります。
 4月から実施される新しい有給休暇制度に向けて、従業員がより働きやすい環境を作り、有給休暇の取得率を上げていくことはとても重要な課題といえるでしょう。

<人材不足の解消>
 有給休暇を取得しやすくするためにも、人材不足の解消が必要です。

2)残業時間の上限規制(原則月45時間)

 現行の労働基準法では、雇用主との間で結ばれる「36(サブロク)協定※1」の「特別条項※2」によって実質的に長時間労働の上限が無制限と定められていましたが、改正により、時間外労働の上限を原則として 1ヶ月45時間、1年360時間などの上限が示されました。
これに対し、労働基準監督署に届け出ることを怠ったり、従業員に対して時間外労働をさせた場合は、労働基準法違反として「6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金」が科せられる恐れがあります。

※1 36協定とは
「労働者に法定時間を超えて働かせる場合(残業)、あらかじめ労働組合または、労働者の代表と協定を結ばなくてはならない」という旨の法令に基づいて結んだ協定のことで、労働基準法36条に規定されているため、「36協定」と呼ばれている。

※2 特別条項とは
臨時的に限度時間を超えて時間外労働を行わなければならない特別の事情が予想される場合には、「特別条項付き36協定」を結ぶことにより、限度時間を超える時間を延長時間とすることができるという制度。このため、改正前は実質的に時間外労働の上限が無制限となっていた。

3)同一労働・同一賃金のためにもキャリアパスの構築が必要

 「同一労働・同一賃金ガイドライン案」では、雇用形態に関わらない均等・均衡待遇を実現するため、企業に対して「基本給の均等・均衡待遇の確保」「各種手当の均等・均衡待遇の確保」「福利厚生や教育訓練の均等・均衡待遇の確保」「派遣労働者の取扱」を求め、違反となる事例を明確にしました。

不合理な待遇差の禁止
 「基本給」や「通勤費」など、個別の賃金や福利厚生について、雇用形態にかかわらず共通化するなど、非正規雇用労働者の待遇改善を図ることが義務化されました。また、「不本意非正規雇用労働者」の正社員化も求められています。厚生労働省では、非正規雇用労働者の待遇改善や正社員化に取り組む企業に対して費用を助成する「キャリアアップ助成金」を設けています。

公正な人事評価制度の構築
 処遇の決定には、公正な人事評価制度を構築した上で、評価結果に基づくことが必要です。そのため、介護現場でも雇用形態によって賃金や待遇に格差を付けるのではなく、職務内容で差をつけられるよう、キャリアパスなどを確立する必要があります。キャリアパスの構築は処遇改善加算でも求められています。

4)介護現場への外国人の受け入れ

 2019年4月から外国人労働者の受け入れが拡大され、介護現場で外国人が働く在留資格は、「特定技能1号」を加えて4種類となります。

日本語と介護分野の試験合格者または3年以上の経験がある技術実習生の受け入れが開始されます

 現在までに、経済連携協定(EPA)によるインドネシア、フィリピン、ベトナムの3国からの受け入れが実施され、就労目的の在留資格「介護」では177人(6月末時点)が働き、技能実習制度の「介護」では247人(10月末時点)が来日しています。
 新たに加わるのが、「特定技能1号」です。政府は、2019年度に5,000人、2023年までの5年間で最大6万人の受け入れを見込んでいます。

「介護の質」の維持が今後の課題に
 人手が足りない介護現場の担い手として期待される外国人の受け入れですが、人手不足対策としては一定の効果はあるものの、介護の質を維持できるかどうかが重要なポイントとなります。外国人が質の高い介護の担い手となれるよう、十分な教育と環境整備が欠かせません。



目 次
  • 介護サービスで使用する車両は 駐車禁止場所への駐車に許可が下ります
  • 介護の「業務改善の手引き」を公開!
  • 新加算「特定処遇改善加算」詳細が決定
  • 5月1日より元号が変更 書類などの表記を変えましょう
  • GWの10連休対策をしましょう
  • 4月から働き方が変わります
  • ストレスチェック実施プログラムに新機能搭載
  • 安倍総理が「認知症対策の推進」に向け、提言 第1回 認知症施策推進関係閣僚会議
  • 介護職も使える認知症の簡易検査法を開発
  • 雇用保険、労災保険などの追加給付について発表
  • 医師会がGW10連休への対応強化を行政に要請
  • 「介護現場革新会議」を発足
  • 増税に合わせ、介護人材への処遇改善を提示
  • ミャンマーから初の介護実習生が来日
  • 外国人の受け入れ 現場の反応は?
  • 介護分野の外国人実習生 最大6万人受け入れへ
  • 高齢者のフレイル対策 医療・介護の一体的な事業を検討
  • 福祉用具貸与の全国平均・上限額を公表 住宅改修の見積もりは複数の事業者から
  • 介護報酬改定に関するQ&A(vol.6)を公表
  • 利用者の有償ボランティア活動に際しての 留意点を周知