1分間で出来る健康法
第11回
首を温めてやわらかくすると、
免疫力がアップする

 こんにちは。
 今月も、こころとからだが健康になる『1分間でできる健康法』を紹介します。


50年間で0.7度も体温が下がった日本人

 近年の日本人の平均体温は36.2℃。1950年代は36.89℃でしたから、この50年間で0.7度も下がっていることになります。
 体温が1度下がると免疫力は約30%低下する、ともいわれるように、近年になって高血圧や糖尿病などの生活習慣病、アトピー性皮膚炎や花粉症などのアレルギーが増えたことにも、低体温は大きく関係していると思われます。

 ではなぜ、体温が高いと免疫力が高まるのか?
 それは「血流が良くなる」ことと「酵素が活性化する」からです。

 血液の流れが良いということは、免疫の要である白血球がいち早く体内の異状に対処できるということ。また、血液が運んでいる酸素や栄養素が、体内の隅々(すみずみ)にまで行き渡ることで、細胞の修復も素早くスムーズに行われます。
 酵素は、体内で栄養が分解・吸収・排泄されるときなどに必要な「触媒(しょくばい)」で、エネルギーを作り出したり、細胞を修復したり、新陳代謝にも必要不可欠な存在。
 体温が高いと、この2つがうまくはたらく、というわけです。

「首」と名のつく箇所を温める

 昔から「全身を温めるには、首と名のつく箇所を温めるといい」といわれます。
 実際に、手首や足首、そして、首そのものを温めると、からだ全体がポカポカしてきた、という経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
 特に首を温めることは、頭とからだをつないでいる神経や血管の要所を温めることでもあるので、免疫力や自律神経のバランス調整機能がグンッとアップします。

 東京脳神経センター理事長の松井孝嘉医学博士は著書『1日5分 副交感神経アップで健康になれる!』で次のように述べています。

 私は首に「副交感神経センター」という重要なポイントがあることを発見しました。人間の副交感神経の働きをつかさどる、 大切な場所が、脳にきわめて近い首の上の部分にあったのです。首こりによって副交感神経の働きが阻害されるというのは、 実は首の上部にある副交感神経センターの働きが、首の筋肉の異常、すなわち首のこりによって、その働きを阻害されることだったのです。

 不定愁訴(ふていしゅうそ)と呼ばれる原因がはっきりしない心身の不調は、副交感神経のはたらきが低下していることが大きな原因といわれます。
 副交感神経は、心身をリラックスさせる自律神経。職場での人間関係や、人工的なものに囲まれた、自然から遠い生活環境。 街中に溢(あふ)れる電磁波などから慢性的なストレスにさらされている現代人にとって、副交感神経がしっかりはたらいていることは、健康を保つためにとてもたいせつなことなのです。
 実際、首を温めて、こりがほぐれてくると、それまで感じていた心身の不調がいつの間にか和らいでいることに、多くの人が気づきます。

 首が温まると、からだ全体が温まって、体温が上がります。
 首がやわらかくなると、副交感神経のはたらきが良くなります。

 つまり、首を温めてやわらかくすることは、免疫力を高め、自律神経のバランスを調えるために、とても効果的な健康法なのです。


首を温めてやわらかくする体操

 効果を高めるコツは、一つひとつの動作をゆっくり丁寧に行うこと。
 そして、あまり力を入れないことです。
 1日に数回、首の筋肉をやわからかくするイメージで行いましょう。


①両手を10秒ほどこすり合わせます。


②そのまま両手で、首のうしろ全体(頸椎を中心に、耳の後ろから肩甲骨の上部あたりまで)を10秒ほどこすります。

③ゆっくりと首を左右に各2周まわします。これを2回繰り返します。

④ゆっくりと首を前後や左右に傾けます。回数はそれぞれ2回ほどでいいでしょう。

⑤ ①と②をもう一度繰り返します。
①の前と⑤のあとで、蒸しタオルやカイロなどを首に当てて温めるといっそう効果的です (ヤケドしないように、温度には十分気をつけて行ってください)。


寝る前にもう1分 就寝時に行う首のマッサージ

 寝る前に首を温めてやわらかくすると、睡眠の質が高まります。
 1日中、たいせつな頭を支えてくれた首のはたらきをねぎらうように、感謝の気持ちを込めて行いましょう。

①あお向けの状態で、リラックスします。
②首のうしろに左右どちらかの手のひらを当て、親指以外の4本の指で反対側の首(髪の生え際から首全体)をゆっくりもみほぐします。

③反対側の手のひらでも同様に行います(両方合わせて1分間ほどが目安です)。

 後頭部から首にかけては「天柱(てんちゅう)」や「風池(ふうち)」など、コリやストレスの解消に効くツボもあります。
 力を入れずに「気持ちいい」と感じる程度で、やさしく行ってください。


参考文献:『医者いらずになる 1分間健康法』帯津良一・鳴海周平著(ワニ・プラス)