1分間で出来る健康法
第8回
お腹をやさしく丁寧にマッサージすると
快便になり免疫力が上がる

 こんにちは。
 今月も、こころとからだが健康になる『1分間でできる健康法』を紹介します。

なぜ、お腹はたいせつなのか?

 「お腹だけは、ちゃんと布団(ふとん)をかけなさいよ」
 子どものころに、よく言われませんでしたか? 暑くて寝苦しい夜でも、お腹だけは冷やさない。先人たちは「お腹のたいせつさ」を知っていたのです。

 植物は根っこがダメになってしまうと何をしても回復が難しくなりますが、これは茎や葉っぱ、花や果実の土台となり、栄養を吸収しているのが「根っこ」だからです。
 このたいせつな「根っこ」が、人間のからだでは「お腹」にあたります。
 落ち着いている状態を「肚(はら)が据(す)わっている」と言ったり、根性があることを「ガッツがある(gut=腸や消化器)」と言ったりするのも、こう考えると納得がいきますね。
 また「腸」という字の左側にある「月(にくづき)」を「土」に替えると「場」という字になるのも、腸が地球でいうところの、土や場(=土台)にあたることを表しているのではないかと思います。

お腹のマッサージ

 お腹をマッサージすることのたいせつさに初めて気付いたのは10年ほど前。ラジオで健康番組のパーソナリティーをしていたときでした。
 相方をしてくれている局アナの女性が「話す仕事の人にとって、腹式呼吸はとても大事なんですよ。お腹から声が出るようになるし、健康にもいい効果があるんです」と教えてくれたのです。

「息を吐くときにお腹を引っ込めて、吸うときにお腹を膨らませる。たったそれだけなんだけど、とても気持ちが落ち着くんです。 呼吸をするたびに、なんだかお腹もマッサージされているようで…。風邪をひきづらくなったし、便秘が治って、肌もきれいになったんですよ」

 腹式呼吸に自律神経を調える効果があるのは聞いたことがありましたから、気持ちが落ち着くことはすぐに理解できましたが、風邪や便秘、美肌にまで効果があるとは…。
 その後さまざまな文献などで、自律神経と腸が密接に関係していること、腸が免疫機能の大半を担っていることを知り、おおいに納得しました。
 お腹を動かす腹式呼吸は、お腹のマッサージにもなっていたのです。

美肌と免疫力アップにも効果アリ

 からだの隅々まで運ばれる栄養素も、もともとは腸で作られていますから、お腹の状態が良くなると、からだ全体に行き渡る血液の質も改善されます。
 先ほどのアナウンサーのように「お腹をマッサージしてから、なんだか肌がきれいになったみたい!」という声が多いのはこうした理由からでしょう。 
 また、免疫の大半を担っている場所も、腸を中心とした「お腹」です。
 免疫の要であるリンパ球が信号を受け取る細胞(マクロファージ)は、90%がお腹に集まっています。
 マクロファージは、冷えている状態だとはたらきが衰えてしまうので、冷やさないことや、丁寧なマッサージなどでお腹を動かして温めることは、自律神経を調えて、 からだ全体の免疫力を高めるためにとてもたいせつなのです。

実践!1分間健康法

 腹式呼吸よりさらにマッサージ機能に重きを置いた1分間健康法をご紹介します。
「からだの土台・根っこ」であるお腹に直接はたらきかける効果を体感できますよ。
  1. リラックスして、呼吸を調えます。
  2. 前半の40秒はへそを中心に指4本分くらいの間隔を空け、周囲を「の」の字を書くようにマッサージします。
ゆっくり息を吐きながら「気持ちいい」と感じる程度にやさしく丁寧に圧をかけます。
息を吸うときにゆっくり戻します。
目安は1ヶ所につき3〜5秒程度(へそを1周で40秒ほどです)。

  1. 後半の20秒はおなか全体をさすります。
    時計回りに大きく10回まわし、上から下へ10回なで下ろします。
注)胃腸が活発に動いている食後は消化の妨げになる可能性もあります。
  食事のあとは、なるべく1時間以上空けて行ってください。





参考文献:『医者いらずになる 1分間健康法』帯津良一・鳴海周平著(ワニ・プラス)