こんにちは。
今月も、こころとからだが健康になる『1分間でできる健康法』を紹介します。
からだのどこかに不調を感じているとき、その箇所を触ってみると、たいてい固くなっていたり、こわばったりしています。例えば、胃が痛いときなどは、ちょうど裏側にあたる背中の部分を触ってみると、固くなっていることがわかるでしょう。肩や首の「コリ」は、わかりやすい例ですね。
つまり、からだが適度に「ゆるんでいる」ことは、健康を保つ上で大切なポイントなのです。
では、「ゆるんでいる」状態を保つには、どうしたらよいでしょうか?
じつは、全身をゆるめるために重要となる場所が「口元」なんです。 食道~胃~小腸~大腸~肛門とつながる消化器官の入り口である「口元」がゆるむと、からだ全体もゆるむことがわかっています。
「からだの芯」である内臓が適度にゆるむことで、からだは本来の自然治癒力を存分に発揮できるようになるんです。
口元をゆるめるには「あくび」が一番!
口元をゆるめるために、いちばん簡単なのは「あくび」をすることです。
「あくび」は、血液中の酸素濃度が下がってきたことを、脳の奥にある神経細胞の固まりが感知して発生します。 あくびによって、あごや首の筋肉がストレッチされることで血液の循環が良くなり、脳に酸素が届けられるという仕組みです。
また、あくびには脳幹を活性化させる効果もあることがわかっています。
生きるために必要なすべての働きを司っている脳幹は、自律神経や免疫系、呼吸や筋肉などを管理している生命の要(かなめ)です。
動物が時々大きなあくびをするのも、脳幹を活性化させて、つねにベストな状態を保つための本能なのかもしれませんね。
ところが最近、あくびがすんなり出てこない人が増えているのだそうです。
そうした人たちに共通しているのは「からだが緊張して固くなっている」ということ。とくに後頭部から首の後ろ、背中、腰まわりまでが、とても固くなっている状態なので、「からだの声」を聞く感性が鈍ってしまっているのです。
とは言っても、あくびは頑張って出てくるものではありません。むしろ、頑張ってはよけい出てこないでしょう…。
全身をゆるめる超簡単!なコツ
そこでオススメしたいのが「あくび誘導法」。
実際にやってみるとわかりますが、上手にあくびを誘導できたときの気持ちよさは何ともいえません。
私自身、この方法で初めて大きなあくびが出たときは、涙と一緒に何度も自然なあくびが出てきました。
「からだの芯からリラックスすることが、こんなに気持ちのいいものだったとは…」
そう感じていただけること請け合いの健康法です。

1) | なるべく浅めにイスに腰かけ、リラックスしたまま、背すじを伸ばして前を向き、口をゆっくり大きく、ぽかんと開きます |
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2) | そのまま数秒間キープして、口を閉じます (何度か繰り返します) |
3) | あくびが出たら、ゆっくりその感覚を味わってください |
最初はなかなか思ったように出ないかもしれませんが、あくびが出なくても口を大きく開け閉めするだけで十分効果があります。
あせらず、ゆったりした気持ちで、気長に行ってみてくださいね。