1分間で出来る健康法
最終回
寝る前に日記をつけると、
自律神経のバランスが調い、認知症も予防できる

 こんにちは。
 今月も、こころとからだが健康になる『1分間でできる健康法』を紹介します。


寝る前「日記」で、体調に変化が現れた!?

 もう20年以上、寝る前に「日記」を書いています。
 書き始めたのは、少々ハードな業務の会社に務めていたころ。すでに呼吸法やウオーキングなど、いろいろな健康法を試してはいましたが、 日記は健康とまったく関係ないものと思っていました。「毎日の出来事を書いておくと、そのうち何か役に立つことがあるかもしれないな」という軽い気持ちで始めたのです。
 ところが、日記をつけ始めてひと月ほど経ったころ「からだが軽い!」と感じる日がしばらく続いていることに気づきました。
 当時勤めていた会社は、早朝出勤の深夜帰宅という日が多く、休みの日を除いて「からだが軽い」と感じることはほぼ皆無……。 慢性的なからだのダルさ、重さは当たり前のことでしたから、こうした体調の変化にはけっこう敏感だったんですね。
 とはいえ、急にからだが軽くなった理由として、何か思い当たることといえば「日記」をつけ始めたことくらい。
 当時行っていた健康法も多々ありましたが、どれもしばらく続けているものばかりでしたから、結局「日記を書くと、 こころが整理されてストレスが解消されるのかな」という結論に、何となく落ち着いたのでした。


なぜ「日記」は効くのか?

 それから20数年、ほぼ毎日、日記を書き続けてきたわけですが、先日とうとう「日記が健康によい」という根拠が示されている本を発見しました。
 それは、順天堂大学医学部の小林弘幸教授の『「3行日記」を書くと、なぜ健康になれるのか?』(アスコム)。小林先生は同著の中で次のように述べています。

 病気になる、体調が崩れる、夜眠れなくなる、無性にイライラするなど、すべての不調は自律神経のバランスの乱れから来ています。 心身の健康はもちろん、人間活動の好不調はみんなこのバランスによって左右されていると言ってもいいでしょう。(中略)
 私はひとりの医師として、ずっと自律神経をコントロールする方法を追い求めてきました。睡眠、食事、運動はもちろん、呼吸の仕方や時間の使い方、 日常生活の心がけにいたるまで、あらゆる方面に目配りしながら自律神経のコントロールにつながるノウハウを模索してきたわけです。
 そして―― こうした末にたどり着いた究極の自律神経コントロール法が「日記をつけること」なのです。(後略)

 日記をつける効用は「自律神経のバランスが調う」ことにあったんですね。
 以前にも何度か述べたように、自律神経を調えることは健康の要。
 寝る前に1日を振り返って、こころ静かに日記を書くことは、交感神経優位だった昼間の状態から、からだを休める副交感神経優位の状態へと切り替える「スイッチ」の役割を果たしていたのです。
 また、起こった出来事などを振り返って日記を書くという作業は、とても脳を使います。特に、記憶中枢である海馬や脳の司令塔とも呼ばれる前頭葉がよく使われることで、脳全体が活性化し、認知症の予防にもつながります。
 生涯現役を目指す人にも、寝る前の日記はオススメの習慣です。



寝る前につける「日記」で1日をリセットする

 前述の小林先生が提唱する「3行日記」は、寝る前にその日1日を振り返り、
①今日いちばん失敗したこと(もしくは体調が悪かったこと、嫌だったこと)
②今日いちばん感動したこと(もしくは嬉しかったこと)
③明日の目標(もしくは今いちばん関心があること)
の3点を、1行ずつ、なるべく簡潔に書く、というもの。
「嫌なこと→いいこと→目標」という順番に書くことで、今日の反省から将来のモチベーションへ「日記」が気持ちを引き上げてくれる、といいます。
 こころを裸にするつもりで、素のままの感情をすべて吐露(とろ)することが、自律神経のスイッチを切り替えてくれるのだそうです。

 私が書いてきた日記は、時間帯こそ「寝る前」で一緒なのですが、内容は出来事を羅列(られつ)しただけのかなりシンプルなもの。何時に起きて、 何を食べて、どんなことがあったのか。誰と会って、何時に帰宅したのか。天気と気温はどうだったか……と、かなりざっくりとした内容です。 小林先生の「3行日記」は、「他人に見せない(見られない)」ことを前提としていますが、私は、いつ誰に見られてもいいように書いていますから、 感情すべてを吐露するようなことは書きません(笑)。
 それでも日記の持つ効果は20数年で十分に体感してきましたから、どちらでもご自分に合ったスタイルでよいのだと思います。

 過去の日記を振り返ってみて気づくのは「自律神経が安定しているときの文字は、とても丁寧」だということ。逆に、不安定な要素の多かった日は、かなり乱雑です。
 自律神経は行動からもコントロールできますから、文字を「ゆっくりと、なるべく丁寧に」書くよう心掛けることで、自律神経を安定させてくれる効果はいちだんと高まるでしょう。



おわりに

 1年間12回にわたってご紹介させていただきました「1分間でできる健康法」も、今回をもちまして最終回となりました。 こころとからだを健康に保つためにお役立ていただけましたら、これほど嬉しいことはありません。
 なお、今回の連載で紹介しきれなかった「1分間でできる健康法」は、拙著『医者いらずになる 1分間健康法』(ワニ・プラス刊)に掲載していますので、ぜひそちらもご参考になさってください。
 このたびのご縁にこころより感謝申し上げ、連載終了の挨拶とさせていただきます。
 ながらくのご愛読、どうもありがとうございました。



参考文献:『医者いらずになる 1分間健康法』帯津良一・鳴海周平著(ワニ・プラス)