動作スクリーニングによる
効果的な小集団機能訓練

第1回「スクリーニングとは・・・?」
介護業界を取り巻く環境
 団塊の世代が 75 歳を超えて後期高齢者となり、国民の3人に1人が75歳以上という、超高齢社会である「2025年問題」を前に、“介護労働者不足”や“介護報酬の減算”など、 介護業界を取り巻く環境はますます厳しさを増すことが予想されます。このような中、今後の介護施設運営には、“質の高いサービスの提供”と“生産性の向上”を同時に実現する ことが求められています。
 そこで当施設では、これまで行ってきたご利用者の身体機能の評価方法を見直すとともに、社内スタッフへの教育を充実させることで、これまでの個別機能訓練から、 目的別にグループ分けされた集団による機能訓練へのスムーズな移行に取り組み、ご利用者へのサービスの向上と、施設運営の効率化を図っています。
スクリーニングで効果的な訓練を
①ほぼすべてのデイサービスで行われている評価は「テスト」

 現在、日本全国で行われているほぼすべての評価は、ご利用者が現在「どの程度片足で立っていることができるか?」「どの程度歩くことができるか?」「どの程度立つことができるか?」 のように、ご利用者の「できること」を数字で表し評価しています。これは「テスト」です。
 しかし、ご利用者の「できること」を評価して知ったところで、実はどのような機能訓練をしていったらよいかということは分からないのが現状です。 その証拠にTUG(※1)やCS30(※2)の評価の数字を見ただけで機能訓練メニューを作成することはできません。
 そのため、質の高い機能訓練メニューを作成する際には、機能訓練指導員が再度評価し直して機能訓練メニューを作成するということが多々あるのです。

※1 Timed Up and Goテスト。
   3m先のコーンを周って戻るまでの時間を測る。
※2 30秒イス立ち上がりテスト
   両手を胸元で交差させた状態でイスに座り、30秒間に立ち上がれた回数を測る。
②スクリーニングが なぜ 優れているのか

 評価では「何秒で歩けたか」という結果をテストするのではなく、「チェック項目を設けて、できない動作を記録し、ご利用者のできないことをチェックする」べきなのです。
 この「チェック項目を設けて、できない動作を篩(ふるい)にかけること」がスクリーニングです。 できない動作を篩にかけることで、ご利用者がどの動作ができなくて立ち上がれないのか、どの部分に問題があって歩けないのかを知ることができます。
 そのためスクリーニングを行うことで、誰もが一貫性のある機能訓練メニューを作成することができるようになり、かつ歩行したいと願うご利用者にも、目的をもった機能訓練 メニューをご説明することができます。 すると、ただただ歩行の訓練をするだけではなく、ご利用者に明確な目の前の目標を提示でき、ご利用者のモチベーションの向上へつなげることも可能となります。
【基本の動作評価スクリーニング】
今回はスクリーニングの概要についてお話しました。
次回から、スクリーニングの方法について詳しく紹介していきます!
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これまでの連載
著者紹介
株式会社ケアスマイル青森 代表取締役
大里洋志
● JOC医科学強化スタッフ
● 水球日本代表トレーナー
● 青森県スポーツドクター公認トレーナー
● 日本体育協会アスレティックトレーナー
● 青森県水泳連盟トレーナー
● 柔道整復師
● ケアマネージャー