リハビリの技術

「膝の痛みに対するアプローチ」
「筋肉型」の改善型を知る
本誌(月刊デイ8月号P.87)でご紹介した「膝関節型」「腰椎型」「膝のお皿型」のいずれの体操でも痛みが残る場合は、「筋肉型」の体操を試してみましょう。
膝に問題があると、関節を保護するために筋肉が過剰に緊張しますが、緊張が長期間続くと、筋肉が常に収縮している状態(肩こりのような状態)になり、筋肉自体が痛みの原因になってしまいます。
このタイプの膝痛の改善には、筋肉をゆるめることが効果的です。
次の痛みナビ体操を行い、ご自分の痛みの改善型を確認しましょう。

【筋肉型の痛みナビ体操】
筋肉型の膝痛の場合は、筋肉の一部を押すと、「ズーン」と響くような鈍痛が生じる圧痛点が見つかるはずです。圧痛点のある筋肉により、次の4タイプに分かれます。
①ふくらはぎ改善型
ふくらはぎを押すと痛みがやわらぐ
②内太もも改善型
内太ももを押すと痛みがやわらぐ
③外太もも改善型
外太ももを押すと痛みがやわらぐ
④太もも裏改善型
ハムストリングスを押すと痛みがやわらぐ
ご自分の痛みの改善型が分かったら、それぞれの改善型のゆらし体操を行いましょう。
筋肉型のゆらし体操
痛みナビ体操で見つけた改善型のゆらし体操は、筋肉を押しながら行います。筋肉が緊張すると深いところまで圧迫することが難しいので、 なるべく筋肉の緊張をゆるめた状態での「ゆらし運動」が効果的です。

ふくらはぎ改善型
ふくらはぎ圧迫ゆらし体操 1日の目安:朝晩2セットずつ
①イスに座り、膝痛がある側を上にして足を組みます。
②膝裏からやや下のふくらはぎに両手の親指を当て、指先を強めに押し込みます。
③圧痛点が見つかったら、指先でふくらはぎを圧迫しながら足首の曲げ伸ばしを行います(10回程度)。
④ふくらはぎを圧迫する場所を2~3センチほど足首側にずらし、ほかの圧痛点でも同様の動作を行います。
簡易版 ふくらはぎ圧迫ゆらし体操 1日の目安:朝晩2セットずつ
①イスに座り、膝痛がある側のふくらはぎをもう一方の足の膝のお皿の上に乗せます。
②膝のお皿をふくらはぎに当て、お皿でふくらはぎを圧迫します。

③圧痛点が見つかったら、お皿でふくらはぎを圧迫しながら足首の曲げ伸ばしを10回繰り返します。
圧迫する場所を2~3センチほど足首側にずらし、ほかの圧痛点でも同様の動作を行います。
内太もも改善型
内太もも圧迫ゆらし体操 1日の目安:朝晩2セットずつ
効果:
①イスに座り、膝痛がある側の足を1歩前に出します。


②膝のお皿の内側にある出っ張った骨のへりに両手の親指を当て、指先を押し込みます。

③圧痛点が見つかったら、その部分に指先を押し込みながら足首の曲げ伸ばしを10回繰り返します。
圧迫する場所を太もも裏の中央部まで少しずつずらし、ほかの圧痛点でも同様の動作を行います。
外太もも改善型
外太もも圧迫ゆらし体操 1日の目安:朝晩2セットずつ
①膝のお皿の外側にある出っ張った骨のへりに両手の親指を当て、指先を押し込みます。
②圧痛点が見つかったら、その部分に指先を押し込みながら足首の曲げ伸ばしを10回繰り返します。
圧迫する場所を太もも裏の中央部まで少しずつずらし、ほかの圧痛点でも同様の動作を行います。
太もも裏改善型
太もも裏圧迫ゆらし体操 1日の目安:朝晩2セットずつ
①硬式テニスボールを1個用意し、
イスに深く腰かけます。
②膝裏のやや上にテニスボールを当て、
ゆっくりと体重をかけます。
③テニスボール体重をかけたまま、
10回膝を揺らします。
④テニスボールを太もも裏の中央部まで少しずつずらし、ほかの圧痛点でも同様の動作を行います。
内ももの裏側と外側には大腿二頭筋、内側には半膜様筋と半腱様筋があり、これらの筋肉群を総称して「ハムストリングス」といいます。
ハムストリングスは指だと押しにくいので、硬式のテニスボールを使います。
著者紹介
医療法人社団色空会
お茶の水整形外科機能リハビリテーションクリニック
院長 銅冶英雄(どうやひでお)