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経営のお悩みQ&A

〈質 問〉
 大阪府 デイ管理者 40代 男性

 セラピーアニマルや介護ロボットを導入したいのですが、注意点などを教えてください

 セラピーアニマル(人を癒すために訓練された犬や猫)や介護ロボット(ぬいぐるみタイプ)などを導入すれば、ご利用者が自然に動いて生活機能の維持向上や癒しが得られるのではないかと思い、導入を検討しています。
 実際に導入されている事業所の方に、採算性や感想、注意点を教えていただけるとありがたいです。
〈回 答〉
京都府 デイサービスセンターリエゾン萌木の村 國田様からの回答
 当事業所は認知症対応型のデイで、3年前からアザラシ型の介護ロボット「パロ」を導入しています。それ以前はセラピー犬がいて、ご利用者にも可愛がられ、デイに通う動機づけになったり、手を伸ばして撫でたり、外に出るきっかけになっていました。ただし、職員としてはエサ・排泄・散歩など犬自体の世話が必要な上、噛むことのない犬でしたが、万が一、ご利用者を噛んだりしないか見守っている必要もあるため手間はかかりました。

 そのセラピー犬が亡くなってしまったため、介護ロボット「パロ」を導入しました。こちらはリースで利用しており、費用は3年間(保証・メンテナンス付き)で45万円ぐらいです。ご利用者の反応はさまざまですが、動物を飼っていた方や動物好きの方、女性には概ね「可愛い」と好評です。認知症が軽度の方や男性は「こんなぬいぐるみ・・・」と反応が冷ややかな場合もあるので、様子を見ながら接してもらうとよいでしょう。最初は「ぬいぐるみ」と思って反応が冷たかった方も、撫でるとまばたきをしたり、話しかけると鳴いたりすることに気がつくと、「あれ?ただのぬいぐるみじゃないんだな」と興味を示され、愛着を持たれる場合もあります。

 導入後の注意点としては、落下と水濡れです。丈夫に作られているため、3年間、特に故障などはありませんが、よその事業所では「ご利用者に預けている間に少しずつ毛が抜かれてしまった」という話も聞きますので、預けっぱなしにはしないほうがよいでしょう。

 当事業所でパロを導入したばかりのころ、重度の認知症で職員とのコミュニケーションもうまく取れない状態のご利用者がいらっしゃいましたが、ためしに職員がパロを抱いて話しかけたところ、とても愛しそうな表情をして撫で、可愛がられたので驚いたことがあります。その方はデイに通い始めて2年ほど経っていましたが、それまでそんな表情は一度も見せたことがなかったため、写真を撮ってご家族にもお見せしたところ、ご家庭でもここ数年はそのような表情を見せたことが無かったらしく、ご家族も驚いていらっしゃいました。

 費用対効果としては少し高いかなと思うこともありますが、こうしたご利用者の思いがけない笑顔や表情を引き出すことがあり、それはお金には代えられないと思っています。また、初めてご利用される方やショートステイなどで不安を感じていらっしゃる方も、職員がパロを抱いて話しかけると不安が和らぐようです。


〈質 問〉
 福岡県 デイケア管理者 30代 女性

 当デイケアへ通われていたご利用者が肺炎でA病院へ入院し、MRSAが陽性と診断されました。

その後、退院のめどが立ち、A病院より「MRSAの保菌者(病原体を体内に 保有しているが、発病せず感染源となり得る人)でも受け入れ可能か?」と相談がありました。当デイケアを運営する病院の医師に確認したところ、「完全に感染しない保証があれば可能」との回答でしたので、A病院の医師に情報を求めましたが、「MRSAの治療はしていない。今回、尿からの感染で入院中は隔離もなく、通常の手洗いと消毒のみで対応した」との回答でした。  デイケアにMRSA保菌者の利用依頼があった場合、どのように対応すればよいのでしょうか?また、受け入れた場合のご本人や周囲への対処を教えてください。
〈回 答〉
名古屋市立大学看護学部客員研究員 鈴木幹三様からの回答
 MRSA保菌者の場合も受け入れは可能です。手洗い・手指消毒、手袋、エプロン、マスクなどの標準予防策※をきちんと実施すれば隔離の必要もありません。
 デイサービス・デイケアで利用者から介護者やほかの利用者に伝播する感染症としては、感冒、インフルエンザ、疥癬、ノロウイルス感染症などがあります。ご質問のMRSAや多剤耐性緑膿菌などによる感染症やB型肝炎、C型肝炎、HIV感染、梅毒などの血液媒介感染症はほとんど見られないため、過度の心配は必要ないでしょう。
 MRSA を保菌している利用者の場合、感染経路は主に接触感染であり、介護者の手指を介して伝播します。感染経路の遮断が最も重要で、標準予防策を基本として、必要に応じて接触感染予防策(体温計、聴診器などの専用化)を追加します。MRSA を保菌の場合も感染症発症の場合も、利用者の周囲のMRSA 汚染には著しい差は無く、感染予防には利用者が使用する居室、トイレ、リハビリ室、浴室などの清掃を確実に行うことが重要です。また、ご本人やご家族に対しては手洗い・手指消毒の教育を行います。

<MRSA保菌者への対応>
・受け入れは可能。原則的に隔離の必要は無い
・感染経路は主に接触感染 ・標準予防策をきちんと取る
・必要に応じて体温計や聴診器などの専用化を検討
・トイレ・リハビリ室・浴室などの清掃を確実に行う
・洗濯・食器洗浄・入浴・浴槽洗浄も特別な配慮は不要
・本人・家族には手洗い・手指消毒の教育を実施

※標準予防策 「血液、体液、分泌物(汗を除く)、排泄物、損傷皮膚、粘膜には、伝播し得る病原体を含むかもしれない」という原則に基づく予防。感染症の有無にかかわらず、すべての利用者に適用する。


〈質 問〉
 鹿児島県 デイ管理者 40代 女性

田舎なのでご利用者の居住範囲が広く、送迎時に片道40分以上乗車していただくこともよくあります。

「送迎時間が長いと腰が痛い」とおっしゃるご利用者もいるので改善したいのですが、車の台数にも限りがあり、悩んでいます。このような場合、送迎時にどのような工夫をしていらっしゃいますか?
〈回 答〉
北海道 社会福祉法人幸清会 大久保様からの回答
 送迎に時間を要すると、利用者からの苦情や要望も多くなり、スタッフがその対応に追われることが少なくありません。私どものデイサービスで実際に行っている配慮や工夫をいくつか挙げてみます。

  • (1)乗車時の姿勢が、腰に負担がかかる座り方ではないかを確認する
  • (2)座席背面の角度だけではなく、座面の角度を調整することも検討する
  • (3)負担軽減を図るため、下肢を伸ばせるように工夫する
  • (4)座席のシートが固い場合は、褥瘡予防用座布団の使用を検討する
  • (5)腰部や臀部に円座座布団、背もたれ部分にクッションなどを使用し、走行時における身体への負担緩和に配慮する
  • (6)送迎の道順は効率的か、曜日ごとの地区割りや一般道から高速道路利用なども検討し、送迎ルートの見直しで時間の短縮を図る。また、遠い地区の方のみをまず送迎して時間短縮を図り、その後、近隣の方を送迎する
  • (7)腰の負担を軽減するよう、少しでも段差が生じない路面を選択できるようにルートの変更を検討する
  • (8)車内で楽しい時間が過ごせているか(快適な乗り心地か)検討する。例えば、運転手や添乗スタッフが会話で飽きさせない工夫をしているか、車内でのビデオ上映(歌謡番組)、テレビ設置、車両のグレードアップ(ゆったりシートなど)、座席の位置はどうか(前か後か)を確認して、送迎時間も楽しめるようにする
  • (9)20分程度走行した所で車両から降りて腰を伸ばすなど、途中休憩をはさむ
  • (10)利用者と話し合い、時間短縮可能な曜日に変更する
  • (11)デイサービス到着後、利用者同士で軽くさすったりマッサージすることをプログラム化して、身体痛の緩和を図る
  • (12)遠方の利用者はデイ利用の設定時間を変更する。例えば、7~9時間から5~7時間へ変更し、遠い地区の利用者を先に送迎して、7~9時間の利用者の送りに間に合うように戻ってくる
  • (13)単独送迎をする

以上はご利用者の意向も踏まえて実施している内容です。お役に立てれば幸甚です。


〈質 問〉
 大阪府 デイ管理者 40代 男性

ご利用料金を毎月まとめて請求し、振込みをお願いしていますが、なかなか支払ってくださらないご利用者やそのご家族に困っています。

自己負担分をきちんと支払っていただき、継続利用していただけるような良い対応方法を教えてください。
〈回 答〉
岡山県 デイ管理者 女性
 当事業所では、ご利用者との関係作りで一番大切なのはコミュニケーションだと考えています。そのため、支払いをなかなかしてくださらないご利用者・ご家族の方に対しては、まずケアマネに相談し、話し合いの場をつくっていただきます。そして、ケアマネと一緒にご利用者宅を訪問し、契約書に記載してある「支払期限」「支払われなかった場合」について確認します。
そして、未収金(滞納となっているご利用料金)の内訳も文書にしてご説明し、今すぐ支払えないのであれば、「いつなら支払えるのか」「いくらなら支払えるのか」を文書にしていただきます。文書にすることで、口約束だけでなく証拠として残すことができます。
それでも事情により、再び支払いが滞ってしまう場合もありますが、その都度、ご家族の方やケアマネに連絡をし、コミュニケーションを取ることで、「支払いをしないといけない」と思っていただくようにしています。
また、当事業所ではこうした未収金の対策として、契約時に「3ヶ月間お支払いが無く、こちらからの申し入れ後も改善されない場合はご利用を停止させていただきます」という契約書の内容を、利用時にしっかり説明するようにしてからは、利用開始されるようにしてからは、だいぶ未収金が減りました。
ご利用者に対してこうした申し入れをする際には、ケアマネに仲介していただくほうが角が立たず、穏やかに話が進むように思います。困ったときだけでなく、日ごろからケアマネとの情報共有を図っておくことも大切です。

<未集金回収時のポイント>
・まずはケアマネに相談
・ケアマネと一緒にご自宅を訪問
・未集金の内訳を文書にして説明
・契約書に記載してある「支払期限」「支払われなかった場合」について
 確認し、未収金の支払方法について文書に残す
・未収金が発生するたびに、ケアマネとご家族に連絡し、意識してもらう



〈質 問〉
 京都府 デイ管理者 30代 女性

デイをご利用の方で、当事業所からの送迎を利用されず、ご自分で歩いて来所される方がいらっしゃいます。

 デイをご利用の方で、当事業所からの送迎を利用されず、ご自分で歩いて来所される方がいらっしゃいます。
 このような場合、『事業所はご自分での来所やお帰りの際の道中の事故に関しては、一切の責任を負いません』との同意書をいただくだけでよいのでしょうか?
〈回 答〉
 弁護士 外岡 潤氏
 どんな事象でもそうですが、できる限り「個別具体的に」考え、対応することが重要です。
 本件も、一律に「同意書さえ取れば問題無し」と割り切れる問題ではなく、いざ事故が起きたとき には、ある「視点」からさまざまな要素を総合的に考慮した上で、賠償責任の有無などが決せられることになります。同意書の有無はあくまでその多数ある事情の一つにすぎません。
 ここでの「視点」とは、法律の用語で「予見可能性」といいます。平たくいえば、起きてしまった事故が事前にどれだけ予見、予測できたかという視点です。
 本件ではそのご利用者の歩行レベル、認知症の程度、自宅からデイまでの距離や危険度(急坂や歩道橋を通るか、車通りが多い道かなど)といったことが要素として挙げられます。
それらを総合的に組み合わせて、普通に考えても危ない、ということであれば現実に事故が起きるリスクが高いわけですから、同意書を取るだけでは不十分であり、「危険を知っていながら漫然と放置していた」と指摘されかねないでしょう。
その場合は「徒歩での通所は認められません」と言い、ご理解いただけないようであれば利用をお断りすることも必要となるかもしれません。
 逆に「それほど危険が無さそう」あるいは「どちらともいえないが心配だ」という場合で、そのご利用者が同意書の意義をしっかり理解できるのであれば、一筆書いていただくことは有効です。
ご本人の意志で、徒歩により生じ得る危険を受諾されたという証明になるからです(ただし100パーセント完璧ではありません)。
ですが、やはりまずは、なぜ徒歩にこだわるのかを尋ね、問題があれば解決を試み、解決できなくとも徒歩の場合の危険性を十分ご説明し説得するのが常道かと思います。
同意書をいただくのは最後の手段ですね。


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